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歯ブラシのときに出血するけど、痛みもないし、まだ大丈夫だよね?

  • 執筆者の写真: 田所歯科医院 院長
    田所歯科医院 院長
  • 2025年11月23日
  • 読了時間: 5分
歯周病で悩んでいる人



静かに進行する「沈黙の病」がもたらす本当の危険とは

「歯周病って、まだ痛くないから大丈夫でしょ?」そう思っている方は、実はとても多いものです。しかし、歯周病の本当の恐ろしさは “痛みが出ないまま悪化していく” という点にあります。痛みがないから大丈夫…ではなく、痛みがないからこそ危険なのです。

この記事では、歯周病を放置することで起こるリスクと、早期治療がなぜ大切なのかを分かりやすく解説します。


■ 歯周病が「沈黙の病」と呼ばれる理由

虫歯の場合、多くは歯がしみたりズキズキ痛んだりします。しかし、歯周病は違います。

歯周病は、歯と歯ぐきのすき間にたまったプラーク(細菌)によって、歯ぐきの炎症や歯を支える骨の破壊がゆっくりと進む病気です。その過程で大きな痛みが出ることは少なく、気づかないうちに進行していきます。

たとえば…

  • 歯ぐきが腫れても数日で引く

  • 歯ブラシで血が出てもすぐ止まる

  • ちょっと口臭が気になる

  • 噛んだときに少し違和感がある

こんな軽いサインを見逃してしまい、気づいた時には重度になっているケースが非常に多いのです。


■ 痛みがないまま進む“破壊”

歯周病が進行すると、歯を支えている「歯槽骨」が溶けてなくなっていきます。骨が溶けるというと大げさに聞こえますが、これは放置すると確実に起こる現象です。

歯槽骨は一度壊されると元に戻ることが難しく、以下のような症状が痛みなしで進行していきます。

● 歯がぐらぐらしてくる

初期は全く痛くありません。むしろしっかり磨いているつもりでも、磨き方の力加減が強く感じられたり、噛んだときの感覚が「なんとなく違う」と思う程度です。

● 歯ぐきが下がり、歯が長く見える

これも痛みはほとんど伴いません。「歳だからしょうがない」と誤解する方が多いのですが、やはり歯周病による炎症が原因の場合が多いです。

● 噛む力が弱くなる

歯の土台が弱まっているため、固いものが噛みにくくなります。だんだんと食事の選択肢が狭まり、栄養バランスにも影響が出てきます。

● 最後は“歯が抜ける”

痛みがなくても、骨がほぼ無くなってしまえば歯は自然に抜け落ちます。しかも一本では済まず、多くの場合は複数の歯が次々とダメになります。


■ 歯周病を放置すると起こる全身への悪影響

歯周病は「口の中だけの病気」ではありません。近年の研究で、歯周病菌が血流に乗って全身へ影響することが分かっています。

特に関連が深いとされているのは以下の疾患です。

● 心筋梗塞・脳梗塞

歯周病の炎症物質が血管にダメージを与え、動脈硬化を進めます。高齢者だけでなく、40〜50代の働き盛りにもリスクがあります。

● 糖尿病の悪化

糖尿病患者の約9割が歯周病にかかっているとも言われています。歯周病の炎症が血糖コントロールを妨げるため、悪循環が起こります。

● 誤嚥性肺炎

飲み込む力が弱くなる高齢者では特に危険。口の中の細菌が誤って肺に入り、重大な肺炎を引き起こします。

● 妊娠への影響

妊娠中の女性が歯周病を放置すると、早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。


“痛みがない”うちに体の中では確実に悪影響が広がっているこれこそが歯周病の恐ろしさです。


■ 歯がなくなった後に起こる生活の変化

歯周病で歯を失うと、生活の質が大きく低下します。

● 食事が楽しめなくなる

硬いものや繊維質のものが噛めなくなり、食べられるものが大きく制限されます。好きだった食べ物が突然「痛い」「噛めない」ものになるのは想像以上のストレスです。

● 見た目の変化

歯が抜けた部分は口元の支えがなくなるため、顔が老けて見えることがあります。特に前歯を失うと、見た目の影響は大きく、自信を失う方も少なくありません。

● 治療費が大きく膨らむ

初期なら数千円の治療で済んだものが、重症化すると

  • 大掛かりな歯周外科

  • 入れ歯やブリッジ

  • インプラント

など、治療時間も費用も大幅にかかるようになります。


■ 今すぐできる歯周病予防と早期発見

歯周病は「予防」と「早期治療」でほとんどの進行を抑えることができます。大切なのは次の3つです。

① 定期検診を受ける

歯周病は自分では気づけない部分が多いため、プロのチェックが欠かせません。3〜6ヶ月ごとの検診が最も効果的です。

② 専門的なクリーニング

歯石は自分では取れません。放置すると炎症が続いて歯周病が加速します。

③ 正しいブラッシング指導

磨いているつもりでも、実際には磨けていない場所があります。歯科医院で自分の口に合った磨き方の指導を受けることが改善の近道です。


■ まとめ

歯周病は、最初はほとんど痛みがありません。だからこそ気づかず、気づいたときには取り返しがつかない状態になっていることが多い病気です。

  • 痛みがないから大丈夫ではない

  • 放置すると骨が溶けて歯が抜ける

  • 全身の病気にもつながる

  • 生活の質が大きく損なわれる

  • 初期の治療は簡単で費用も少ない


歯を守るための一番の方法は、痛みがなくても歯科医院に行くことです。

静かに進む歯周病を、沈黙のまま放置しないでください。あなたの歯と健康を守るために、ぜひ定期検診を受けてください。


江戸川区瑞江の田所歯科医院ではお口の中の定期的な検診と歯周病チェック、クリーニングを行っています。特に症状のない方、自分はまだ大丈夫と思われている方も、気軽に来院してください。




 
 
 

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