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歯は1本80万円の資産 ? 失って気づく「歯の本当の価値」

  • 執筆者の写真: 田所歯科医院 院長
    田所歯科医院 院長
  • 2025年11月14日
  • 読了時間: 5分
資産価値の高い歯

 


「あなたの歯は、1本いくらの価値があると思いますか?」 そんな問いかけをすると、多くの人は「そんなの考えたこともない」と首をかしげます。しかし、ある調査では、歯1本の価値はおよそ80万円と試算されています。 これは日本予防医学協会が、歯を失った際にかかる医療費・生活の質の低下・将来の健康リスクなどを総合的に評価して算出した金額です。

 80万円──。 これは単なる治療費ではありません。“その歯を失ったことで人生が被る損失”を含めた金額です。


 さらに驚くべきことに──アメリカでは歯1本の価値が約500万円(約3〜4万ドル)と試算されています。

 医療費が高額なアメリカでは、歯を失うことで生涯にわたってかかる費用が日本以上に大きく、社会的影響も深刻であることから、歯の評価額も非常に高く見積もられているのです。


 つまり、私たちが普段ほとんど意識しないこの小さな一本一本の歯には、想像以上の「資産価値」が秘められているのです。


■ 「資産」としての歯 ─ 無料で手に入った最も価値ある財産

 家、車、家電製品──高額な資産には気を配るのに、歯の痛みには「ちょっと様子を見よう」と先延ばしする。これは非常に不思議な逆転現象です。

 しかし本来、歯こそもっとも守るべき“生まれながらの資産です。

 なぜなら歯は、

  • 元通りには戻らない

  • 失うほど将来の医療費が増える

  • 噛む力の低下が健康寿命に直結する

  • 見た目・発音・自信に影響する

  • 天然歯以上の人工物は存在しない

 という特徴を持っています。 しかも、1本の価値は80万円以上。 親知らずを除いた28本の歯の総額は──2,240万円となります。

 私たちは、このような高額な“資産”を日々使って生活しているのです。


■ 治療費は「高い」のではない。「資産の修復費」である

 インプラントは1本40〜50万円ほどかかります。 ブリッジや入れ歯も先端の技術を取り入れたものは高額の治療費になることがあります。。

 こうした治療費だけ見ると、「高くない?」と感じる人もいます。しかし、天然歯の価値が1本80万円だとすれば──どれも天然歯には到底及ばない“代替品”に過ぎません

 つまり、インプラントが高いのではない。 歯がそれ以上に価値ある資産であるということなのです。

 歯は他の資産とは違って、壊れたら新品に取り替えることはできません。修理できても「完全な元通り」は不可能です。

 だからこそ、多くの歯科医師が口をそろえて言います。


治療より予防のほうが100倍価値がある」


■ 歯を失うと、人生のコストは雪だるま式に増える

 歯1本の価値が80万円と試算された背景には、「歯を失った後に必要となる費用の連続性」があります。


失うと発生する典型的な費用

  • 入れ歯・ブリッジ・インプラントの作製費

  • 調整・修理・再作製にかかる費用

  • 残っている歯の寿命が短くなることによる追加治療

  • 噛む力低下による全身の健康リスク増加

  • 食生活の変化による医療費増加

  • 見た目の変化による心理的ストレス

 特に、欠損を放置すると周囲の歯が傾き、倒れ、噛み合わせが崩れ、連鎖的に歯を失っていくドミノ崩壊が起きます。 その結果、治療費は指数関数的に膨らみます。

 これらをすべて考えると、歯1本の損失が80万円という試算は決して大げさではありません。


■ 歯が健康な人は“可処分所得”が多い

 予防中心の人は、治療中心の人よりも生涯医療費が圧倒的に少ないというデータがあります。  

 定期検診で年間1〜2万円。 一方、治療主体の人は10年で100〜300万円かかることも。


 つまり、歯を守ることで「使えるお金」が増えるのです。 予防は投資であり、歯は運用すべき資産だといえます。


■ 噛む力は“健康寿命”という最大の資産を生む

 歯の価値は、お金だけで測れるものではありません。 噛む力は、そのまま健康寿命に直結します。


噛める人の特徴

  • 認知症リスクが低い

  • 免疫力が高い

  • 栄養状態が良い

  • 筋力の低下が遅い

  • フレイル(虚弱)になりにくい

  • 表情や発音が豊か

 逆に、入れ歯で噛めなくなると「柔らかい物中心の食生活」になり、栄養バランスが崩れ、老化が加速します。

 これは、「歯の価値は健康寿命そのもの」であることを意味します。


■ 歯の資産価値を守る4つの方法

① 定期検診(メインテナンス)

 もっとも費用対効果の良い“資産保全策”。 早期発見・早期治療は、資産価値の最大化につながります。

② ホームケアの質を上げる

 歯ブラシだけでは60%程度しか汚れが取れません。 フロス・歯間ブラシを習慣にすることで歯の寿命は大きく延びます。

③ 変化を感じたらすぐ受診

 「痛くないから大丈夫」は最も危険な発想。 初期治療は費用も時間も最小で済みます。

④ 欠損を放置しない

 歯が1本抜けただけでも噛み合わせが乱れ、全体の資産価値が急激に落ちます。


■ 歯は「人生で最大の資産」である

 歯は生まれながらにして授かった、無料で手に入った“無形資産”。 しかし、その価値は非常に高価な財産です。


 家や車より先に、まず守るべき資産── それが歯なのです。


 この事実を知ることで、歯の扱い方が変わり、 毎日のケアへの意識が変わり、 結果として「未来の自分の人生」が変わります。

 人生100年時代。 歯はあなたの最強の資産であり、一生の味方です。



 
 
 

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